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最近知ったこと1 パンデモニウムの語源


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 たいした話題ではないのだけど、定期的に私が「つい最近知って面白かったこと」を載せてみようと思う。まあ暇つぶしの読み物にはなるかも知れない。

 

 

パンデモニウムについて

 

  • パンデモニウムというのは、地獄にある悪魔が住む都市のことで、サタンが作ったとされるが、実はこの単語は造語なんだそうだ。聖書に直接出てくる単語ではないらしい。
  • 元々はジョン・ミルトンの「失楽園」に出てきた言葉で、意味は「すべての悪魔」。失楽園が書かれたのは1667年なので、正確なところは判らないが、今から450年ちょっと前に考え出された単語だと思われる。

 

語源はパンテオン

 

  • パンデモニウムの語源は、ギリシャ語のパンテオン(Pantheon)という言葉で、こちらは「すべての神々」という意味。文字通り特定の宗教のすべての神々のことを指すが、転じて、すべての神々がおわす神殿のこともパンテオンと呼ぶ。
  • このパンテオンをもじったのがパンデモニウムで、Pan=すべて、theo=神のところを、demon=悪魔に置き換えたのがパンデモニウム(Pandemonium)である。

 

伏魔殿という和訳

 

  • パンデモニウムは、日本語だと伏魔殿(ふくまでん)もしくは万魔殿(ばんまでん)と訳されるが、これは中国の伝奇小説「水滸伝」が元ネタで、魔王を封印した建物を作中で伏魔殿と呼んでいる。
  • ミルトンの「失楽園」を、日本で一番最初に誰が和訳したのかは不明だが、和訳した人はこの水滸伝のくだりを知ったうえで書いたのだと思われる。

 

創作上でのパンデモニウム

 

  •  私が初めてパンデモニウムという単語を知ったのは、ゲーム「ファイナルファンタジー」で、2と8に*1この単語が出てくる。
  • 2では地上に現れた地獄の宮殿の名前がパンデモニウムで、まるでアメジストの内部のような、薄紫の結晶でできた美しい城だった。一見無機質そうなその城も、壁は丸くボコボコと生物的で、どことなく蜂の巣や内臓の中を思わせるデザインがまた最高だった。私はこのパンデモニウム城がとりわけ好きである。
  • この城の何が最高かって、明らかにこの世のものではないと一目でプレイヤーに理解させるデザインをしているところである。中世ヨーロッパ風の2の世界観にいきなりこんなのが現れるのだから、一目で「これはヤバイ」と理解できる。標識やポスターと同じで、一発で理解できるデザインでなおかつ美しいというのは素晴らしいことである。
  • 8では風の召喚獣*2として登場するのだが、薄紫の外見や丸くボコボコした顔の部分など、どう見ても2のパンデモニウムをモデルにした外見になっている。こちらもなかなか禍々しくて好きだったが、なんでまた召喚獣になったんだろう。8は最近リマスター版が出たというし、こちらでも活躍しているのだろうか。

 

 (2019-09-04 記録)

 

ja.wikipedia.org

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*1:他にも9などに出てくるが、ここでは割愛する。

*2:ファンタジーゲームによくある、戦いの途中に呼び出して代わりに戦ってもらう精霊のようなもの。炎の魔人や氷の女王などが定番。